アレルギー性鼻炎とは
アレルギー性鼻炎は、Ⅰ型アレルギー(即時型アレルギー) に分類される疾患で、吸入したアレルゲンに対する免疫反応によって生じます。
主な原因は以下です。
- チリダニ(ハウスダスト)
- スギ・ヒノキなどの花粉
- 真菌(カビ)
- 動物の毛・上皮
- 昆虫由来抗原 など
遺伝的素因と生活環境の両方が発症に関与します。
主な症状
アレルギー性鼻炎の三大症状は以下です。
- くしゃみ(発作性・反復性)
- 水のような鼻水(水性鼻漏)
- 鼻づまり(鼻閉)
症状が強くなると、
- 睡眠障害
- 集中力低下
- 学習・仕事効率の低下
など、生活の質(QOL)を大きく低下させます。
アレルギー性鼻炎の診断
次の所見がそろえば臨床的診断が可能です。
▶ 典型的症状
- 発作性くしゃみ
- 水性鼻漏
- 鼻閉
▶ 鼻腔所見
- 浮腫状粘膜
- 水様性鼻汁
▶ アレルゲン検査
必要に応じて行います。
- 皮膚プリックテスト
- 血清特異的IgE検査(採血)
- 鼻誘発試験
アレルギー性鼻炎の治療
治療は大きく 4つの柱 に分かれます。
- 抗原の除去・回避
- 薬物療法
- アレルゲン免疫療法(根治的治療)
- 手術療法
① 抗原の除去・回避(基本治療)
アレルギー性鼻炎では 環境対策が最も重要な基礎治療 です。
ダニ対策のポイント
- 室内塵1g中ダニ抗原2μg以上で発症リスク増加
- 床付近ほど抗原量が多く、小児は曝露しやすい
有効な対策
- こまめな掃除
- 寝具清掃・洗濯
- エアコンフィルター清掃
- 空気清浄機の使用
- 室内湿度60%未満を維持
- 定期的な換気
※チリダニは湿度が高い環境で増殖します。
② 薬物療法(症状タイプ別)
症状に応じて薬剤を選択します。
A.くしゃみ・鼻水型(中等症まで)
抗ヒスタミン薬
- デスロラタジン(デザレックス)5mg
1日1回内服
鼻噴霧用ステロイド
- フルチカゾン(アラミスト)点鼻
各鼻2噴霧/日1回
👉 鼻噴霧ステロイドは現在の第一選択治療です。
B.鼻づまり型(鼻閉優位)
抗ロイコトリエン薬
- モンテルカスト(キプレス)10mg
就寝前1回
点鼻ステロイド
- モメタゾン(ナゾネックス)点鼻
C.重症・最重症例
上記治療に追加して:
- ディレグラ配合錠
(フェキソフェナジン+プソイドエフェドリン)
※空腹時内服
③ アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)
原因アレルゲンに対する根治的治療です。
適応
- ダニアレルギー
- スギ花粉症
特徴
- 原則5歳以上
- 効果発現まで数か月〜年単位
- 長期継続(3〜5年)が必要
注意点
- 不安定な喘息は禁忌
- 初回投与は医療機関で実施
- ごく稀にアナフィラキシーあり
使用薬
- ミティキュア(ダニ舌下錠)
- シダキュア(スギ花粉舌下錠)
④ 手術療法
薬物療法・免疫療法で改善しない場合に検討します。
手術の種類
- 鼻粘膜変性手術
(下鼻甲介レーザー焼灼術など) - 鼻腔形態改善手術
- 鼻漏改善手術(翼突管神経切断術)
多くは日帰り手術で可能です。
治療の目標
アレルギー性鼻炎の治療目標は、
抗原曝露があっても日常生活に支障がない状態を維持すること
です。
早期から適切な治療を行うことで、
- 症状の慢性化
- QOL低下
- 睡眠障害
を防ぐことができます。
受診の目安
次のような場合はご相談ください。
- 市販薬で改善しない
- 鼻づまりで眠れない
- 毎年症状が強くなる
- 花粉症を根本治療したい