江戸川区一之江のクリニック

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アレルギー性鼻炎

・Ⅰ型アレルギーであり,抗原の除去・回避が基本.
・治療には薬物療法,アレルゲン免疫療法,手術療法(薬物療法や免疫療法が無効な場合)などがある
・薬物療法としては,くしゃみ・鼻漏型には抗ヒスタミン薬が,鼻閉型には抗ロイコトリエン薬が,重症には鼻噴霧用ステロイドが使用される.
・ダニやスギ花粉が原因であれば,根治的治療としてアレルゲン免疫療法を考慮する.

アレルギー性鼻炎の病態
・アレルギー性鼻炎はⅠ型アレルギー疾患であり,吸入アレルゲン(チリダニ,花粉,真菌,動物上皮,昆虫など)に対する感作が原因.遺伝的素因および環境要因の両者が影響する.
・主な症状はくしゃみ,水性鼻漏および鼻閉である.

アレルギー性鼻炎の診断
・アレルゲン検査としては,プリックテストなどの皮膚テスト,血清特異的IgE検査,鼻誘発試験などがある.
・典型的な症状(発作性・反復性のくしゃみ,水性鼻漏,鼻閉)および鼻腔内所見(浮腫状粘膜や水性鼻汁など)があれば,臨床的にアレルギー性鼻炎と診断してよい.

アレルギー性鼻炎の治療
・アレルギー性鼻炎の治療目標は抗原の曝露があっても日常生活に支障のない状態にもっていくことである.鼻炎が重症化すると有意にQOLが悪化するため,重症化させないことが重要である.
1.抗原の除去と回避
・チリダニについては,室内塵1g中にダニアレルゲンが2μg以上あれば感作および鼻炎の新規発症のリスクが高まる.また床に近いほどダニアレルゲンの抗原量は多いため小児では曝露しやすく,掃除の励行などによるダニ除去が大切.エアコンのフィルターの定期的な清掃や空気清浄機の使用も有効.チリダニは大気中の水蒸気を経皮吸収して生育するため,定期的に窓を開け換気し,部屋の湿度が60%を超えないようにする.

2.薬物療法
A.中等症までのくしゃみ・鼻漏型
1)デスロラタジン(デザレックス)錠(5mg) 1回1錠 1日1回(H1受容体拮抗,抗ロイコトリエン)
2)フルチカゾンフランカルボン酸エステル(アラミスト)点鼻液(27.5μg) 1回各鼻腔2噴霧 1日1回 点鼻
(鼻噴霧用ステロイド)

B. 中等症までの鼻閉型または鼻閉を主とするもの
1)モンテルカスト(キプレス)錠(10mg) 1回1錠 1日1回 就眠前 (抗ロイコトリエン薬)
2)モメタゾンフランカルボン酸エステル水和物(ナゾネックス)点鼻液(50μg) 1回各鼻腔2噴霧 1日1回 点鼻(鼻噴霧用ステロイド)

C.重症・最重症型  Bに加えさらに以下を追加する
フェキソフェナジン・塩酸プソイドエフェドリン(ディレグラ)配合錠 1回2錠 1日2回 朝・夕の空腹時

3.アレルゲン免疫療法
舌下免疫療法は原則として5歳以上で適応があるが,活動性で不安定な喘息を合併する症例には禁忌である.即効性には乏しい.舌下免疫療法では1億回に1回の割合で重篤な全身副反応(アナフィラキシー)が起こりうるとされている.アナフィラキシー予防のため、初回舌下投与はクリニックで行う.

アレルゲンエキス(ミティキュア)ダニ舌下錠(3,300JAU) 1回1錠 1日1回 舌下投与(開始から1週間)
アレルゲンエキス(ミティキュア)ダニ舌下錠(10,000JAU) 1回1錠 1日1回 舌下投与(2週目以降)
※スギ花粉に対してはシダキュア(初回1週間2000JAU 翌週から5000JAU)を使用する

D.手術療法
 アレルギー性鼻炎に対する手術は治療の目的により,①鼻粘膜変性手術(下鼻甲介レーザー焼灼術など),②鼻腔形態改善手術(内視鏡下鼻腔手術Ⅰ型など),③鼻漏改善手術(経鼻腔的翼突管神経切断術など)の3種類に分類できる.通常,鼻粘膜変性手術は日帰り手術で行われる.

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