血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を脂質異常症といいます。脂質の異常には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)、トリグリセリド(中性脂肪)の血中濃度の異常があります。特にLDLコレステロールは動脈硬化を進行させるため、注意する必要があります。LDLコレステロール 140mg/dL以上で高LDLコレステロール血症と診断されます。また中性脂肪の値が150mg/dl以上になると高トリグリセリド血症と診断されます。中性脂肪とコレステロールは共に動脈硬化の原因となります。LDLコレステロール140mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満、中性脂肪150mg/dl以上、これらのうち一つでもあれば脂質異常症と診断されます。高LDLコレステロール血症の薬物治療ではLDLコレステロール低下作用を持つスタチン系の薬が第一選択薬です。スタチンは肝臓でコレステロールを作る酵素を阻害することによりコレステロールを下げます。スタチン系の薬は全部で6種類あり、スタンダートスタチン「プラバスタチン(メバロチン)、シンバスタチン(リポバス)、フルバスタチン(ローコール)」<ストロングスタチン「アトルバスタチン(リピトール)、ピタバスタチン(リバロ)、ロスバスタチン(クレストール)」の順に作用が強力になります。