高血圧のせいで、体がつらくて困っているという話はあまり聞きません。自覚症状が無いのに、なぜ血圧が高いといけないのでしょうか。血圧が高いことでさまざまな病気を引き起こします。たとえば、脳卒中も血圧が高い人に多いです。高血圧は脳以外にも多くの臓器にさまざまな形で悪影響をおよぼします。高血圧を治療するのは、そうした合併症を防ぐためです。収縮期血圧が140㎜Hg以上あるいは拡張期血圧が90㎜Hg以上のとき、高血圧と診断されます。病院やクリニックで測定した血圧は緊張などで高めに出てしまうこともありますので、自宅でリラックスして測定してみるのもよいでしょう。
★高血圧を治療する理由
- 心血管疾患のリスクを減らすため:高血圧は心臓や血管に負担をかけ、動脈硬化や冠動脈疾患、脳卒中などの心血管疾患のリスクを高める可能性があります。適切な治療により、これらのリスクを減らすことができます。
- 腎臓の健康を維持するため:高血圧は腎臓にも悪影響を及ぼす可能性があります。長期間にわたって高い血圧が続くと、腎臓の機能が低下し、最悪の場合、腎臓疾患や腎不全につながることがあります。
- 視力を守るため: 高血圧は網膜血管を傷つけ、視力を損なう可能性があります。治療により、視力を守ることができます。
- 生活の質を向上させるため: 高血圧は頭痛、めまい、息切れなどの症状を引き起こすことがあり、生活の質を低下させる要因になります。適切な治療により、これらの症状を軽減し、生活の質を向上させることができます。
- 予防的な観点から:高血圧はしばしば無症状で進行することがありますが、それでも重大な健康問題を引き起こす可能性があります。定期的な医師の診察を受け、必要に応じて治療を行うことで、将来の健康リスクを減らすことができます。