・急性期治療(薬物治療)と予防療法(薬物治療・非薬物治療)に分けられる.
・急性期治療は,アセトアミノフェンとNSAIDsが基本だが,筋弛緩薬(チザニジン)を用いることもある.
・予防療法は,慢性緊張型頭痛(15日以上/月)では,三環系抗うつ薬のアミトリプチリンを用いる.
・緊張型頭痛の病態はいまだ不明である
・緊張型頭痛の診断は,国際頭痛分類第3版に準拠して行い,頭痛の頻度や持続時間などにより,反復性(稀発・頻発)か慢性に分類される・頭痛の部位は両側性で,性状は,圧迫,締めつける痛みである.頭痛の強さは,軽度から中等度で,日常的な動作で増悪しない.
・緊張型頭痛治療の目的は,頭痛による日常生活による支障を改善することである.
緊張型頭痛における急性期治療は,薬物治療が主体となる.
★頭痛時の対応→NSAIDsによる対症療法が基本
1)ロキソプロフェン(ロキソニン)錠(60mg) 1回1錠 1日1~3回 食後
2)アセトアミノフェン(カロナール)錠(500mg) 1回1~2錠 1日1~3回 食後
2週間程度継続し,頭痛が軽減したら薬を減量する.慢性緊張型頭痛など頭痛日数が多い場合は,薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)を引き起こす危険があるので,薬剤の飲み過ぎを避けることが大切
★筋緊張時の対応
チザニジン(テルネリン)錠(1mg) 1回1錠 1日1~3回 食後
2週間程度継続し,筋緊張が軽減したらら薬を減量する.筋緊張が軽減しない場合や脱力・倦怠感などの副作用が出現した場合も終了とする.
★予防療法
緊張型頭痛の予防療法は,薬物治療と非薬物治療に分けられる.
・薬物治療
三環系抗うつ薬のアミトリプチリン(トリプタノール)錠(10mg) 1回1錠 1日1回 就寝前(適応外使用が認められている)
予防療法は,3~6か月ごとに再評価し,治療を継続もしくは終了するか検討を行う.
・非薬物治療
緊張型頭痛の非薬物療法は,精神療法および行動療法,理学療法,鍼灸, ブロック注射などがある
・慢性緊張型頭痛や慢性片頭痛,薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)と診断し,治療に難渋した場合は,頭痛専門医へコンサルトを行う.
・緊張型頭痛の誘因は,睡眠不足,ストレス(精神的要因),天候の変化,疲労,不適切な姿勢などがあるため,当てはまる場合はそれらを避けることが大切