痛みやしびれは不快であり、緩和したい症状です。これらを解決するための薬について紹介いたします。
★筋緊張治療薬・・・筋肉の緊張をときほぐすお薬です。
※このカテゴリーの薬はふらつき、眠気出ることがあるので運転不可
・テルネリン(チザニジン) 1mg
適応疾患:頸肩腕症候群(肩こり),腰痛症 (緊張型頭痛にも効果あり)
用量用法:1日3錠分3
・ミオナール(エペリゾン) 50mg
適応疾患:頸肩腕症候群(肩こり),肩関節周囲炎,腰痛症
用量用法:1日3錠分3
★SNRI・・・セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬は、脳の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害する薬です。抗うつ薬のカテゴリーですが、痛みにも効く種類があります。
・サインバルタ(デュロキセチン) 20mg、30mg
適応疾患:糖尿病性神経障害,線維筋痛症,慢性腰痛症,変形性膝関節症に伴う疼痛
用量用法:1日1回朝食後,60mgを経口.1日20mgより開始,1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgずつ増量
★神経障害性疼痛治療薬
※このカテゴリーの薬はふらつき、眠気が出ることがあるので運転不可
・タリージェ(ミロガバリンベシル) 2.5mg 5mg 10mg 15mg OD錠あり
適応疾患:神経障害性疼痛
用量用法:1回5mgを1日2回経口,その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し,1回15mgを1日2回経口.尚,年齢,症状により1回10~15mgの範囲で適宜増減し1日2回投与
・リリカ(プレガバリン) 25mg 75mg 150mg OD錠あり
適応疾患:神経障害性疼痛
用量用法:初期用量は1日150mgを1日2回に分けて経口し,その後1週間以上かけて1日用量として300mgまで漸増(増減) ►1日最高用量は600mgを超えない.いずれも1日2回に分けて経口
(ふらつきが発生することがあるので、体格によっては25mg 4T 2×くらいからスタートがよいかも)
★非麻薬性鎮痛薬(オピオイド)・・・麻薬ではないが、麻薬に似た作用機序で強い鎮痛作用を発揮する薬です
※このカテゴリーの薬はふらつき、眠気が出ることがあるので運転不可
・ワントラム(トラマドール) 100mg 他に1日2回のツートラム、1日4回のトラマールがある
トラマドールの徐放剤。本来1日4回の内服が必要であるが1回で済むので便利。
適応疾患:非オピオイド鎮痛剤で治療困難な以下における鎮痛→疼痛を伴う各種癌,慢性疼痛
用量用法:100mg 1T 1×より開始する。100~300mgを1日1回経口(適宜増減) ►但し,1日400mgを超えない
・トラムセット(トラマドール37.5mg+アセトアミノフェン325mg)
トラマドールとアセトアミノフェンの合剤です。徐放剤ではないので1日4回の内服が必要。
適応疾患:非癌性慢性疼痛
用量用法:1回1錠,1日4回経口.投与間隔は4時間以上空ける
►(増減)1回2錠,1日8錠を超えて投与不可.又,空腹時の投与は回避
・ノルスパン(ブプレノルフィン) テープ 5mg 10mg 20mg
適応疾患:非オピオイド鎮痛剤で治療困難な以下疾患に伴う慢性疼痛における鎮痛:変形性関節症,腰痛症
用量用法:前胸部,上背部,上腕外部又は側胸部に貼付し,7日毎に貼り替えて使用する(毎日貼り替えない)
►初回貼付用量は5mgとし,その後は症状に応じて適宜増減するが,20mgを超えない
5㎎~20mg 1枚を1週間貼りっぱなしにすること
★抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)・・・睡眠薬のカテゴリーですが、緊張をほぐして痛みを改善する効果があります
※このカテゴリーの薬はふらつき、眠気が出ることがあるので運転不可
・デパス(エチゾラム) 0.25mg 0.5mg 1mg
適応疾患:頸椎症・腰痛症・筋収縮性頭痛における不安・緊張・抑うつおよび筋緊張
用量用法:1日1.5mg分3だが、眠気が出ることもあるので、眠前に0.5mgでもよい
★オピオイドによる便秘改善
オピオイドは便秘を引き起こしますので、便秘改善薬も一緒に出すことがあります
・スインプロイク 0.2mg
経口末梢性μオピオイド受容体拮抗薬といって、オピオイドの引き起こす便秘症状を改善します
適応疾患:オピオイド誘発性便秘症
用量用法:0.2mg 1T 1× 朝
★睡眠薬(オレキシン受容体拮抗薬)
痛み止めではないですが、よく眠りたいときに使います
・ベルソムラ 10mg 15mg 20mg
用量用法:20㎎1T 1×眠前(高齢者は15mgに減量)
※フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等CYP3Aを阻害する薬剤と併用する場合は10mgに減量する
・デエビゴ 2.5mg 5mg 10mg
用量用法:5mg1T 1× 眠前(2.5~10mgまで増減可)
※フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシン等CYP3Aを阻害する薬剤と併用する場合は2.5mgに減量する
★トリガーポイント注射(筋注)
痛みの圧痛点にする注射です。
組成例:1%キシロカイン7ml+ノイロトロピン3ml(3.6単位)
適応疾患:腰痛症,頸肩腕症候群(肩こり),症候性神経痛
★仙骨硬膜外ブロック
仙骨裂孔からカテラン針という長めの針で注射します。
組成例:1%キシロカイン4ml+デキサート3.3mg+生食15ml
麻酔薬の濃度を上げると運動神経までブロックして足が動かなくなるので、濃度は薄く・量は多く使います
適応疾患:腰痛症,腰椎椎間板ヘルニア,腰部脊柱管狭窄症,腰椎すべり症
★その他NSAIDs
・ノイロトロピン(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液) 4単位
適応疾患:帯状疱疹後神経痛,腰痛症,頸肩腕症候群(肩こり),肩関節周囲炎,変形性関節症
用量用法:4T(16単位) 2×
★プロスタグランジン製剤
プロスタグランジンは血流を改善し、痛みやしびれを改善させる 妊婦禁忌
・オパルモン(リマプロストアルファデクス錠) 5μg
適応疾患:後天性腰部脊柱管狭窄症(下肢疼痛、しびれ)
用量用法:3T 3×