ボルズィ(一般名:ボルノレキサント)は、不眠症の治療に使用される睡眠薬です。
2025年に日本で承認された比較的新しい薬で、オレキシン受容体拮抗薬というタイプの睡眠薬に分類されます。
従来の睡眠薬とは作用の仕組みが異なり、
- 自然に近い眠りを促す
- 翌朝の眠気が少ない
- 依存性が比較的少ない
といった特徴があります。
この記事では
- ボルズィとはどんな睡眠薬か
- 効果
- 副作用
- 他の睡眠薬との違い
- 服用時の注意点
について医師の視点からわかりやすく解説します。
ボルズィとは
ボルズィはオレキシン受容体拮抗薬というタイプの睡眠薬です。
オレキシンとは
脳を覚醒させる神経伝達物質
で、覚醒状態を維持する働きがあります。
ボルズィはこのオレキシンの働きを抑えることで
自然な眠気を促して睡眠を助ける薬
です。
日本では2025年に承認され、不眠症治療の新しい選択肢として使用されています。
ボルズィの特徴
ボルズィには以下のような特徴があります。
入眠効果が比較的早い
ボルズィは血中濃度が上昇するまでの時間(Tmax)が
約0.5時間と比較的短く、寝つきを改善する効果が期待できます。
翌朝の眠気が少ない
ボルズィは半減期が短く、
翌朝まで薬が残りにくい特徴があります。
そのため
- 朝のだるさ
- 日中の眠気
が少ないとされています。
依存性が比較的少ない
従来の睡眠薬(ベンゾジアゼピン系など)に比べ、
- 依存
- 耐性
が起こりにくいと考えられています。
ボルズィの効果
ボルズィは不眠症の以下の症状に効果があります。
入眠障害
寝ようとしてもなかなか眠れない状態。
中途覚醒
夜中に何度も目が覚める状態。
早朝覚醒
朝早く目が覚めてしまう状態。
臨床試験では
- 入眠までの時間の短縮
- 睡眠効率の改善
が認められています。
ボルズィの用法・用量
通常の服用方法
- 就寝直前に1日1回服用
- 通常5mg
- 最大10mgまで
とされています。
食後すぐに服用すると効果発現が遅れることがあるため、
食直後の服用は避けることが推奨されています。
ボルズィの副作用
比較的安全な薬ですが、副作用が起こることがあります。
主な副作用
- 眠気
- だるさ
- 悪夢
- めまい
臨床試験では
傾眠(眠気)約3%
が報告されています。
ボルズィと他の睡眠薬の違い
睡眠薬は大きく以下の種類があります。
ベンゾジアゼピン系
例
- ハルシオン
- レンドルミン
特徴
- 即効性が高い
- 依存性が問題になることがある
非ベンゾジアゼピン系
例
- マイスリー
- ルネスタ
オレキシン受容体拮抗薬
例
- ベルソムラ
- デエビゴ
- クービビック
- ボルズィ
このタイプは
自然な睡眠に近い作用
が特徴です。
ボルズィが向いている方
以下の方に使用されることがあります。
- 寝つきが悪い(入眠障害)
- 翌朝の眠気を避けたい
- 依存性の少ない睡眠薬を希望
- 従来の睡眠薬が合わない
ボルズィを使用できない場合
以下の方は使用できないことがあります。
- 重度の肝機能障害
- 特定の薬との併用(CYP3A4阻害薬など)
- 妊娠中
- 授乳中
服用の可否は医師の診察で判断します。
不眠症でお悩みの方へ
不眠症は
- ストレス
- 自律神経の乱れ
- ホルモン変化
- 生活習慣
など様々な原因で起こります。
睡眠薬だけでなく
- 生活習慣の改善
- ストレス管理
- 睡眠衛生
なども重要です。
睡眠の問題が続く場合は、医療機関での相談をおすすめします。
ボルズィに関するよくある質問(FAQ)
Q1 ボルズィはどんな睡眠薬ですか?
オレキシン受容体拮抗薬というタイプの睡眠薬で、覚醒を抑えて自然な眠りを促します。
Q2 ボルズィは依存性がありますか?
従来の睡眠薬に比べ、依存性は比較的少ないとされています。
Q3 ボルズィはいつ飲みますか?
通常は就寝直前に1日1回服用します。
Q4 ボルズィの効果はどのくらいで出ますか?
服用後30分程度で効果が現れることがあります。
Q5 ボルズィの副作用は?
眠気、だるさ、悪夢などが報告されています。
Q6 翌朝眠くなりますか?
半減期が短いため、翌朝の眠気は比較的少ないとされています。
Q7 ボルズィはどんな人に向いていますか?
寝つきが悪い方や、翌朝の眠気を避けたい方に向いています。
Q8 ボルズィは市販されていますか?
市販薬ではなく、医師の処方が必要な医療用医薬品です。
Q9 ボルズィは長期使用できますか?
症状や状態に応じて医師の管理のもとで使用されます。
Q10 ボルズィと他の睡眠薬は併用できますか?
薬の種類によっては併用できない場合があります。必ず医師に相談してください。
この記事の監修医師
あんどうファミリークリニック 院長 安藤 岳史
医師。地域医療・在宅医療を中心に診療を行い、日常診療に基づいた医学的知見をもとに医療情報を発信しています。 本記事は最新の医学的知見および臨床経験に基づき作成・監修されています。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関へご相談ください。