不正出血とは、月経(生理)以外のタイミングで性器から出血することを指します。
少量の出血や茶色いおりもののような出血も含まれます。
不正出血は女性に比較的よくみられる症状ですが、
- ホルモンバランスの乱れ
- 子宮や膣の炎症
- 子宮筋腫などの病気
- 子宮がんなどの重大な疾患
など、さまざまな原因が考えられます。
特に
- 出血が長く続く
- 出血量が多い
- 閉経後の出血
がある場合は、病気の可能性もあるため早めに婦人科を受診することが重要です。
この記事では
- 不正出血の原因
- 考えられる病気
- 受診の目安
- 病院で行う検査
- 治療方法
について医師監修のもと詳しく解説します。
不正出血とは
不正出血とは、通常の月経周期とは異なる出血を指します。
具体的には次のような出血が該当します。
- 生理以外の時期の出血
- 生理が長く続く
- 月経量が異常に多い
- 月経周期が極端に短い・長い
- 閉経後の出血
このような状態は医学的に
異常子宮出血(AUB:Abnormal Uterine Bleeding)
と呼ばれます。
不正出血の主な原因
不正出血の原因は大きく分けて
- ホルモンバランスの乱れ
- 子宮や膣の病気
- 妊娠関連の出血
- 外傷や感染
などがあります。
不正出血の種類
機能性出血(ホルモンバランスの乱れ)
子宮や膣に明らかな病気がない場合でも、ホルモンの乱れにより出血が起こることがあります。
主な原因
- ストレス
- 過度なダイエット
- 思春期
- 更年期
- 排卵障害
このような出血を機能性出血と呼びます。
思春期や更年期など、ホルモンが変動しやすい時期に多くみられます。
器質性出血(病気による出血)
子宮や膣の病気によって出血するものです。
代表的な原因
- 子宮筋腫
- 子宮内膜ポリープ
- 子宮頸管ポリープ
- 子宮内膜症
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
このタイプは治療が必要になることが多いため注意が必要です。
不正出血を起こす主な病気
不正出血の原因となる代表的な病気を解説します。
子宮筋腫
子宮の筋肉にできる良性腫瘍です。
症状
- 月経量が多い
- 月経が長引く
- 不正出血
- 貧血
女性の30〜40%にみられる比較的多い病気です。
子宮内膜ポリープ
子宮内膜にできるポリープ(良性腫瘍)です。
症状
- 不正出血
- 月経量増加
- 不妊
無症状の場合もあります。
子宮頸がん
子宮の入り口にできるがんです。
初期症状
- 性交後の出血
- 不正出血
- おりものの異常
早期発見のために子宮頸がん検診が重要です。
子宮体がん
子宮内膜に発生するがんです。
症状
- 不正出血
- 閉経後出血
特に閉経後の出血は重要なサインとされています。
腟炎・性感染症
感染によって膣や子宮頸部に炎症が起こると出血することがあります。
原因
- クラミジア
- トリコモナス
- 細菌感染
妊娠に関連する出血
妊娠している場合にも出血が起こることがあります。
例
- 着床出血
- 流産
- 異所性妊娠
妊娠の可能性がある場合は早めに受診しましょう。
危険な不正出血の特徴
次のような症状がある場合は早急な受診が必要です。
大量の出血
短時間でナプキンがいっぱいになる場合。
出血が長く続く
2週間以上続く場合。
強い腹痛を伴う
子宮外妊娠などの可能性があります。
閉経後の出血
子宮体がんなどの可能性があります。
性交後出血
子宮頸部の病気の可能性があります。
不正出血があったときの受診目安
以下の場合は医療機関を受診しましょう。
早めの受診
- 不正出血が数日続く
- 出血が繰り返し起こる
- 月経周期が乱れている
緊急受診
- 大量出血
- 強い腹痛
- めまい・貧血症状
病院ではどんな検査をする?
不正出血の原因を調べるため、以下の検査が行われます。
問診
- 月経周期
- 出血の量
- 出血のタイミング
内診
子宮や膣の状態を確認します。
超音波検査
子宮筋腫やポリープの有無を調べます。
子宮頸がん検査
細胞診によるがん検査です。
血液検査
ホルモンや貧血を調べます。
不正出血の治療
治療は原因によって異なります。
ホルモン治療
- 低用量ピル
- ホルモン療法
薬物療法
- 止血薬
- 鎮痛薬
手術
以下の場合に行われます。
- 子宮筋腫
- ポリープ
- 子宮がん
自宅でできるセルフケア
軽度のホルモン異常による不正出血では、生活習慣の改善も大切です。
ストレスを減らす
ホルモンバランスの安定につながります。
規則正しい生活
睡眠不足はホルモン異常の原因になります。
急激なダイエットを避ける
体重の急激な変化は月経異常を起こします。
まとめ
不正出血は比較的よくみられる症状ですが、
- ホルモン異常
- 子宮筋腫
- 子宮頸がん
- 子宮体がん
などが原因となることがあります。
特に
- 出血が続く
- 出血量が多い
- 閉経後出血
がある場合は、早めに婦人科を受診することが大切です。
早期発見・早期治療が健康を守るポイントになります。
不正出血についてよくある質問(FAQ)
Q1 不正出血とは何ですか?
生理以外のタイミングで性器から出血することを指します。
Q2 不正出血の原因は?
ホルモンバランスの乱れ、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、感染症などがあります。
Q3 排卵期の出血は異常ですか?
排卵期に少量の出血が起こることがあり、これは中間期出血と呼ばれます。
Q4 不正出血はストレスでも起こりますか?
ストレスによるホルモンバランスの乱れで起こることがあります。
Q5 不正出血が続く場合は?
婦人科で原因を調べることが重要です。
Q6 不正出血はがんの可能性がありますか?
子宮頸がんや子宮体がんが原因になることがあります。
Q7 閉経後の出血は危険ですか?
子宮体がんなどの可能性があるため必ず受診してください。
Q8 不正出血は自然に治りますか?
ホルモンバランスが原因の場合は自然に止まることもあります。
Q9 不正出血のときの受診科は?
婦人科または産婦人科を受診してください。
Q10 妊娠中の出血は危険ですか?
流産や異所性妊娠の可能性があるため早めに受診が必要です。
この記事の監修医師
あんどうファミリークリニック 院長 安藤 岳史
医師。地域医療・在宅医療を中心に診療を行い、日常診療に基づいた医学的知見をもとに医療情報を発信しています。 本記事は最新の医学的知見および臨床経験に基づき作成・監修されています。
※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を代替するものではありません。症状がある場合は医療機関へご相談ください。